はじめに
部活動を頑張る学生にとって、「もっと速く走りたい」「ケガを防ぎたい」「疲れにくい体になりたい」という思いは共通です。
しかし、練習量が増えるほどケガや疲労がつきまとい、思うように力を発揮できなくなることもあります。
だからこそ大切なのが、体の構造(骨格・姿勢のバランス)を整えることと、食養(しょくよう=食事による養生)です。
構造医学の視点で体の軸を整え、食養で内側からエネルギーを満たすことで、ケガの予防とパフォーマンスの向上が同時に実現します。
部活で多いケガと「体の構造」
スポーツ現場で多いケガには、次のようなものがあります。
• 足首の捻挫
• 膝の痛み(ジャンパー膝・成長痛など)
• 腰痛・肩の痛み
これらは単なる「使いすぎ」だけでなく、骨盤や背骨のゆがみ、筋膜の偏り、神経の働きの乱れが大きく関わっています。
たとえば、片足重心のクセがあると骨盤が傾き、左右の脚にかかる負担がアンバランスになります。そのまま走ったり跳んだりすると、膝・腰・足首に繰り返し負担が集中し、結果的にケガを誘発します。
構造医学では、体の軸(骨格バランス)を整えることで血流・神経伝達がスムーズになり、自然治癒力が高まると考えます。
学生におすすめのセルフケア
練習の合間や帰宅後にできる、簡単で効果的なケアをご紹介します。
骨盤ストレッチ(疲労回復)
1. 仰向けに寝て両膝を立てる
2. 両膝をそろえて左右にゆっくり倒す
3. 腰や骨盤まわりの筋肉がゆるむのを感じながら10回
食養で体を強くするポイント
食養とは、体の状態や季節に合わせて、食事で整えることです。
スポーツを頑張る学生にとっては、「筋肉の回復」と「エネルギーの安定供給」が重要です。
ポイント①:タンパク質で筋肉を修復
• 魚・鶏肉・卵・大豆製品
→ 練習で微細損傷した筋線維を再生させる
ポイント②:エネルギー源の炭水化物
• 玄米ごはん・芋類(皮ごと)・バナナ
→ 脳と筋肉の主燃料。特に朝食抜きは集中力低下の原因に。
ポイント③:ビタミン・ミネラルで疲労回復
• 緑黄色野菜(ビタミンCで免疫力アップ)
• 小魚・牛乳(カルシウムで骨を強化)
• ナッツ類(マグネシウムで筋肉のけいれん予防)
ポイント④:水分と電解質の補給
• ミネラル水や麦茶を基本に、汗をかいたら少量の塩やミネラルを補給
→ スポーツドリンクは飲みすぎると糖分過多になるので注意。
避けたい食習慣
• ファストフードや揚げ物ばかり → 消化に時間がかかり、疲れが取れにくい
• 炭酸飲料やエナジードリンク → カフェインや砂糖で一時的に元気に見えても、その後にだるさが来る
• 夜食のスナック菓子 → 睡眠の質を下げ、成長ホルモン分泌を阻害
「練習 × 休養 × 食事」=成長
強い体をつくるには、練習量だけでなく、休養と食事の質が欠かせません。
• 練習後30分以内に炭水化物+タンパク質を補給(例:玄米おにぎり+ゆで卵)
• 睡眠は7〜8時間確保。特に22〜2時の「成長ホルモンタイム」を大切に
• 疲れた日は温かい汁物で消化を助ける
実践例:1日の食養メニュー(部活生向け)
• 朝食:玄米ごはん+味噌汁+焼き魚+納豆
• 昼食:玄米おにぎり+鶏の照り焼き+野菜
• 練習後補食:バナナ+豆乳+玄米おにぎり
• 夕食:野菜たっぷり鍋+豆腐+玄米ごはん
• おやつ:ナッツ・ドライフルーツ
無理なく続けられる工夫が、継続のコツです。
まとめ
部活を頑張る学生の体づくりには、「体の構造を整えるケア」+「食養による回復と栄養補給」が不可欠です。
• 骨盤や背骨のバランスを意識してセルフケアを行う
• タンパク質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをバランスよくとる
• 睡眠と休養も練習の一部と考える
これらを意識することで、ケガを防ぎながらパフォーマンスを伸ばし、充実した部活動生活を送ることができます。
「練習の成果を最大限に発揮するためには、練習以外の時間こそ大切」。そのことを心に留めて、今日からできる小さな工夫を始めてみましょう。